門真市 萱島駅すぐの歯医者、氏井歯科矯正歯科の院長 氏井公治です。
私は「JSOI口腔インプラント専修医」を取得しています。
また成人矯正歯科学会の学会認定医研修プログラム2年間コース受講をしております。
矯正治療を受ける際は、医療費控除を利用しない手はありません!
医療費控除を活用すれば、負担金が一部戻ってきます。
皆さん、医療費控除についてご存知でしょうか?
「初耳だわ…」
「ある程度理解しているよ。」
といった反応があるかと思いますが、
ここでその概要と必要条件について解説いたします。
1.医療費控除とは何か?何額から適用可能なのか?
医療費控除とは、1年(1月から12月)に支払った医療費が10万円以上になった場合、
確定申告を通じて支払った税金の一部が戻ってくる制度のことです。ここでいう医療費とは、
同じ生計を共にする家族全員が支払った医療費の総額を指します。
ここでのポイントは、家族間でも収入が多い方が申告を行うと、
より多くの税金が戻ってくるということです。
扶養関係にある家族だけでなく、そうでない家族間でも医療費を合算し、申告することができます。
また、実際には共同生活を送っていない子供でも、
親が経済的な支援をしていれば、その子供の医療費も合算することが可能です。
そのため、子供が矯正治療を受ける場合でも医療費控除が適用されます。
2.大人の歯列矯正は医療費控除の対象となるか?
美容目的の医療費控除は認められませんが、病気治療が目的であれば対象になります。
歯列矯正については、基本的には問題なく医療費控除の対象となります。
なぜなら、噛み合わせの問題は病気とみなされているからです。
歯並びが良くないと、噛み合わせも崩れている可能性があるため、
ほとんどの場合で医療費控除が適用されます。
大人の矯正治療は、噛み合わせが不良であるという事象は
疾患と認識されています(例えば、発音や咀嚼に影響を及ぼす)ため、
基本的に医療費控除の対象となります。
歯科医師が、噛み合わせの不良が口腔機能に問題を引き起こしていて
治療が必要だという診断書を提出することで、医療費控除を受けることができます。
ただし、部分矯正については、必ずしも完全な噛み合わせの修正が行われないことが多く、
その場合は対象外となる可能性があるため注意が必要です。
3.子供の矯正治療は医療費控除に含まれるのか?
子供の歯列矯正は、大半の場合医療費控除の対象となります。
一般的に、中学生までの矯正治療が子供の矯正治療と認識されていますが、
その評価は所属税務署によるところが大きいので、確認を取ると安心できます。
矯正治療の目的が子供の健全な発育を促進するためであり、
歯列矯正が必要であると判断されれば、医療費控除の対象となります。
子供の矯正治療は大きなメリットをもたらします。
医療費控除を利用して費用の負担を軽減すれば、治療開始への障壁も低くなります。
ただし、治療の質は施設により異なるため、子供の矯正治療を選ぶ際には注意深く矯正歯科を選んでください。
【参考情報】ご存知ですか?子供の矯正治療の最適な開始時期について
4.矯正治療における医療費控除の対象は何か?
医療費控除を利用する際に、矯正治療費はもちろん対象となります。
その他にも控除対象となる費用がありますので、確定申告の際にそれらを忘れないようにしましょう。
具体的には以下のような項目が挙げられます。
・矯正治療に必要なレントゲン(パノラマ、セファロなど)等の検査費用
・診断料
・矯正装置使用時の装置代及び矯正処置料(毎月の調整料)
・処方された医薬品費用(ただし予防や健康増進に関わるものは除く)
年度が変わる途中で治療が続く場合でも、その年に支払った医療費が控除対象となります。
健康保険組合からの補助金がある場合は、その額は医療費から差し引く必要があります。
また、デンタルローンやクレジットカードによる分割払いで支払った矯正治療費も対象となります。
ただし、領収書がない場合は、ローン会社の契約書のコピーや信販会社の領収書を申告時に添付する必要があります。
ただし、金利や手数料は控除対象外ですので注意が必要です。
5.医療費控除に交通費は含まれるのでしょうか?
医療費控除に何が含まれるかを説明しましたが、では交通費についてはどうでしょう?
実際、交通費も医療費控除の範囲内ですが、条件が存在します。
具体的には、「公共交通機関を用いて通院した場合の交通費」が対象となります。
なので、自家用車での移動に伴う駐車料金やガソリン代は対象から除外されます。
小さなお子様がいて、親などの同伴が必要な場合、同伴者の交通費も控除の対象となります。
また、バスや電車で通えない地域に医療施設がある場合、タクシー料金も交通費として計上できます。
6.医療費控除の手続き方法は?
医療費控除は確定申告により実施します。
申告書類を税務署に郵送したり、直接提出したりします。
また、近年ではインターネットを利用した電子申告も可能です。
例えば、医療費控除の申告を忘れた場合でも、矯正治療から5年以内ならば、遡って申告することができます。
医療費控除の申告はいつでも受け付けているので、住んでいる地域の税務署に相談すると良いでしょう。
7.確定申告で医療費控除を行うための必要書類は何?
医療費控除に必要な書類は以下のとおりです:
・申告年度の領収書やレシート
・申告年度の源泉徴収票
・申告者名義の銀行口座番号(還付金を受け取るため)
・保険から補填された金額を示す書類
・デンタルローンやクレジットカードでの分割支払いの証明、例えばローン契約書のコピーまたは信販会社の領収書
・印鑑
・診断書
しかし、領収書については、必須ではなくなっています。その詳細については次に説明します。
8.医療費控除に領収書は必要なのでしょうか?
実は平成29年度の確定申告から、医療費控除の明細書の提出が要求され、領収書は不要になりました。
その結果、領収書を整理する手間がなくなり、医療費控除の申告がより手軽になりました。
ただし、税務署から領収書の提出を要求される場合もあるため、保存しておくことは必要です。
医療費控除の領収書は5年間保管することが求められますので、紛失しないように気をつけてください。
平成29年度から平成31年度までの確定申告では、医療費の領収書を添付することも可能です。
9.矯正治療を受ける際の診断書について
矯正治療を行う矯正歯科医から診断書を取得します。
診断書の発行に費用がかかることもあるので、事前に確認してください。
ただし、診断書の料金は医療費控除の適用外ですので注意が必要です。
10.矯正治療をした際の医療費控除の計算例
以下のケースを例に説明します。
子供の矯正治療費:80万円
父親の自費治療費:7万円
母親の年間医療費:3万円
これらの合計が
80万円 + 7万円 + 3万円 = 90万円
ここから控除の対象外となる10万円を引くと、
90万円 – 10万円 = 80万円
この80万円が税額控除の対象となります。
この家庭では、父親の収入が最も多いとすると、父親が申告することで最大限の還付を受けられます。
還付額は所得税率により異なります。
父親の課税所得が500万円の場合、所得税20%、住民税10%を考慮すると、
80万円 × 30% = 24万円 が還付されます。
父親の所得が2000万円の場合、所得税40%、住民税10%を考慮すると、
80万円 × 50% = 40万円 が還付されます。
11.分割払いの医療費控除について
分割払いの場合の医療費控除はどうなるでしょうか?
一括払いと比較した場合の違いが気になると思います。
実際、一括払いの方が医療費控除の対象額が大きくなるケースがあります。
なぜなら、医療費控除は医療費が10万円超える部分にのみ適用されるためです。
分割払いが1年間で完了する場合、医療費の総額は変わらないため、一括払いと差はありません。
しかし、1年を超えて支払う場合、超えた年については再度10万円超える部分だけが還付対象となります。
例えば、2〜3年間に分けて支払うと、控除額は減少します。注意しましょう。
一方で、デンタルローンについてよく誤解される点があります。
デンタルローンは分割払いになりますが、医療費控除はローン契約を結んだ年の医療費が対象になります。
●まとめ
医療費控除は矯正治療を受けるなら必ず利用すべきです。
できるだけ治療費を抑えるために、領収書は必ず保管してください。
また、他の医療費も控除対象になるので、これらも捨てずに保管してください。
全体的な医療費を抑えることで、矯正治療を始めるきっかけになれば幸いです。
矯正治療は究極の予防歯科と言えるでしょう。
※LNEでの無料相談を受け付けております。
※来院頂いての無料相談はおこなっておりません。ご了承下さい。
氏井歯科矯正歯科
インビザライン認定医